令和5年3月22日文化庁から、食文化では徳島の「碁石茶」に続き、昔から西条市で石鎚山ろくで造られ、霊峰「石鎚山」の登山者や、四国遍路のお接待茶としても(独特の酸味を持つ「後発酵茶」)振舞われてきた。
近年は茶畑も減少するし製造する人もなくなりかけていたのだが、何とか継承しようと小松の生活改善グループの婦人たちが伝統の製法を継承しておかなければと数人で取り組み、西条農業高校の先生や生徒が挿し木をしてお茶の木を増やすことに取り組み、また、小会社就労支援施設の団体も製造に取り組んで、消滅を防ごうとしていたところに、この朗報が入った。
ユネスコで日本食「和食」が無形文化遺産に認定され、食文化の見直しが進められているところだが、この認定は歴史が育んだ地方の誇りといえるだろう。西条でも高校生などがこのお茶を守り発展させようと、いろいろな取り組み(クッキーに練りこんだりして製品ずくりにも・・)がされているのだが、できれば素晴らしい地域資源だから行政がまとめ役の中心となって、保存・継承・発展のコーディネートをして、守ってゆくべき財産ととらえるべきと私は提唱したい。西条の豊かな自然や水を生かした、生命の起源を揺り起こすような文化に包まれ、人々の営みが守られるような地域社会の形成に生かされることを期待してやまない。ただ賞をもらって埋もらせてはいけない。