今年になってからコメ不足が取りざたされ、販売価格も値上がりし、政府は対策として「備蓄米」を放出したが解決に繋がらず、来年のコメの作付やら流通まで生産者・消費者・販売業者はもとより、政府も右往左往して社会問題となっている。政府統制から自主流通へと扱いの制度も価格の安定面からも気を使いながら、食用や飼料用やら食管制度・農協経済連、輸出入関係などいろいろ絡んで、実態がつかめにくくなっているのだろう。一向に落ち着く気配がない。毎日の主食だから早く落ち着くように政府の手を入れて欲しいものだ。
ところで、主食として麦をもっと取り入れ栄養面での改善にも役立つのだから流通させるべきだ。愛媛では裸麦の生産量が日本一であるが、この際麦を食することによって物価を下げることにも貢献できるではないか。私はこのピンチとチャンスの時局の読みを、政治家や行政に関わる者はしっかりとらえ問題意識をもって取り組み、民生にも経済効果としても安定や発展につなげるべきと考える。
麦が食用とし命を守ってきた歴史もある、江戸時代にも飢饉を救った、近代になってもカッケ対策として麦の栄養価で救った実績もある。その栄養を学問として確立し、「日本栄養士会」を設立し人類の健康保持に努めた先駆者は愛媛(西条)生まれで、「佐伯ただす」博士であり、栄養専門学校も設立し、栄養士を育てている。今この「日本栄養士会」(現中村ていじ会長)では、災害など非常時の給食として、麦入りの給食を推奨している。この動きと協調しながら愛媛の麦の生産と活用への発展につなげるべきと思う次第だ。